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「ぎっくり腰」の名称は、ギャグのような使い方をされるが、僕は問題に思う。先日、海外で経験した「ぎっくり腰」で、数センチも動けなく救急車を要請したことと、現地の方々に助けていただいたこと、痛みや激痛で帰国どころではなくなり、本当に大変だった。

韓国ソウルの帰国当日の朝、スーツケースが、転落しそうで、手を差し伸べた瞬間、腰に激痛が走り、その場で倒れた。息をしても痛い。足の上に落としたスーツケースの痛みは、感じない。人生で経験のない腰の激痛がおさまらない。ソウルの救急隊に来ていただいて、病院で治療を受けて、さらにパニックで意識がなくなり、気づけばベッドで起きるという、不運な経験をしてしまった。援助をいただいた方々や、通訳として同行してくれた息子に助けられたことは、不幸中の幸いで、その顛末をまとめておく。

倒れた後、一時的であってほしい気持ちで、30分様子を見た。救急車の場合を想定して荷物の梱包をしてもらい、パスポートは小さなバッグに入れて、首から吊るすことにした。ベッドとベッドの隙間にうつ伏せ状態で、動けない。ホテルのロビーには、経過を観察しているが、何かの際に支援してほしいと連絡をしてもらった。

この間に僕は、先々どうなるか?という予測が映像で湧き立つ。

救急隊を要請した時に、今は不運にもパンツで下着であり、そのままホテルのロビーを救急隊と共に搬送をされるシーンの連想や、トイレに行けず、漏らす想像をして、逃れられなかった。無理に飛行機に乗って、椅子で痛みが抑えきれずトラブルになる想像や、飛行機に乗れず、東京の仕事をロスしてしまう心配など、連想が止まらない。僕は、パニックになると、勝手に頭の中に音楽が鳴りだす。なぜか、冬のソナタのテーマ曲のサイバートランスリミックスが頭の中でループで止まらなくなった。今思えばギャグだが、苦しい時ほど、全く関係のない想像や連鎖がしてしまう。動けないので、視界にはいるのは、ベッドの下だけで、うつ伏せで倒れた絨毯から香る、消毒剤の匂いや、掃除をしているとはいえ、土足の渋滞は汚いとか、ベッドの下にあるゴミは気になる。そのループが止まらなくなる。

意識が覚醒した変な状態から、脱するため、スマホを口の近くに置いてもらって、日本へ連絡をFacetimeで急いだ。当然、メールも打つことができない。

自分にとって、大切なことを、自分に向けて呪文のように独り言を話した。

「痛みや苦しさも、すべて冷静に整理をして伝えてしまい、表情にも出ないので、痛みの深刻さが伝わらない。」

本当に苦しくて痛い時には、多くの人は伝え方はメチャクチャになるのだ。

小学生の頃に、弟が大怪我をして、その症状を冷静にはっきり伝えたのに、怒られたことを思い出した。多分、パニック気味に伝えれば、親はことの大きさに気づいたのである。ということを、その時に考えなくても良いのに、ずっとループになった。

渡航保険・医療費用のこともあり、クレジットカードの海外デスクに連絡をすることを優先した。結果として良い判断だった。感謝では足りないぐらい、素晴らしい電話対応や緊急体制を敷いていただき、30分でAMERICAN EXPRESSのから派遣をされた医療スタッフの方がホテルに到着し、様子を見て、すぐに救急隊を要請していただいた。車椅子とタンカで外資系の綺麗なホテルで注目を浴びながらロビーから出た。この時は、恥ずかしく思う余裕がなく、痛みから逃れたい一心で、朝の外資系ホテルでスーツ姿のビジネスマンが集まるなか、ただならぬ気配で、タンカの僕を凝視する子供たちなどの光景が動画のように映る。今思えば、無理でもパンツからズボンを履いておいて良かった。先々、脳梗塞など、何があっても良いように、ズボンは履いておくべきだと強く思っている。

救急車の中は、今、振り返れば、韓流のスターになったような感じで、若い救命士の方の優しい呼びかけもあり、病院も救急医療の部屋で、適切に治療をしていただいた。苦しい時に、先生の優しい質問、痛い部分はどこか、マッサージもしていただいて、本当に感謝をしている。

その後、悪いことにパニックなのか、立てるようになったものの、血の気が引いて、汗が止まらなく、その瞬間、ナース総勢で僕をタンカに乗せた。貧血なのか、パニックなのか、薬が効きすぎて僕は倒れてしまったらしい。気がつくと、点滴を受けて数時間ベッドにいた。

さて、海外の病気や怪我の対処、そして、ぎっくり腰についてまとめたいと思う。僕は、アメリカンエクスプレスのプラチナカードをメインにしている。アメックスの営業でもないし、アフェリエイトもしていないが、強くお勧めしたい。世界どこからでも、コンシェルジュに連絡がつく。

年会費が高いものの、本当に良かったと思っている。また、アメックスが派遣していただいた、現地医療メンバーの方も、日本語が流暢で、きめ細かい支援をしていただいた。すぐに対応できる病院を探して、今回の目的に相応しい搬送先を手配していただいた。無事に日本に帰国をしたが、このお礼は、何と言ったら良いのかわからないぐらいだ。

 

ぎっくり腰については、ネットの情報に溢れているが、症状の重さはまちまちで、参考にならないこともある。私のような重い症状だと、言葉を話しても、腰に響いて激痛になるし、立ち上がることは全くできない。

ただ、コツがあって、

電流の走るような痛みのタイミングに合わせて、深呼吸の吐き出すリズムをそろえることだ。痛みが吹き飛んだ。

痛みが来るなと予感をしたら、深く深呼吸をして、腹式呼吸に切り替え、痛みが来るタイミングで、吐き出す。すると、痛みがたんなるしびれに変換をすることができる。このタイミングを逃すと、激痛になる。

また、安静にすることと、動くことのバランスが大事で、立てるようになったら、横歩きの小走りにしたり、ペンギンのイメージで30分ぐらい歩いた方が良い。すると、立っている間は、何も痛みや苦しいことがなくなってくる。

ただ、座ったり、寝てしまうと、再び激痛モードに戻ってしまうので、頑張って立ち上がらないといけない。