ボクは、マーケティングは過去から現在への分析に過ぎず、未来への人間の購買行動には心理が強く絡んでいるって考えています。
行動経済学というのがありまして、人は必ずしも、合理的な行動を取らないという、経済学と心理学を足したようなこと。
さらに、神経経済学については、経済学と、脳神経科学をあわせたようなものでして、文献も少なくて、凄い難しいので苦労をしています。
この分野は面白いですね。
fMRIで脳の働きを見ることが出来るわけですが、そこで人々の活動をロジカルに見てしまうわけです。
行動経済学で、双曲割引という用語がありまして、人々は、目先のことではあまり考えなかったり、ギャンブル性を求めたりするけれども、遠い未来のことは、合理的でしっかり確認する傾向がある。
今が良ければ良い、ということで借金や喫煙などしてしまうわけです。
でも、将来的には、首を絞めてしまったり、健康を害したりしますよね。
脱線すると、
ボクは、異常なぐらい強烈なネガティブでして、将来を常に悲観しているから、目先のことを遠回りして、5年後10年後を考えます。
昔、ご存知の方は多いと思うのですが、音楽や、ゲームを作って、会社員で生計を立てていました。
その時代から、現在起きていることは予見できていて、
クオリティに関わらず、
デジタルコンテンツの価値が下がり、経済的にはゼロどころか、マイナスになると考えていました。
当時は、誰も信じてもらえませんでした。
今、スマホのアプリを見てみると、課金率が年々限りなく0%に近づき、
一部の人からの金額が増えています。
ゲームに関して言えば、どこかの業界のように、リッチ化が進んでいくでしょう。
業界の開発者が沢山流れています。
コストは数十倍に跳ね上がり、回収まで時間がかかる。
けれども、自らフリーミアムを進めたせいで、離脱も増えていく。
そういう事態に陥るのは、時間の問題だと考えています。
多くの人は、双曲割引で、組織の壁や環境の壁もあり、決算のスパンでしか見れないので、
その時になったら気づいて、ツケがたまり慌てていく、と考えています。
それが、日本っぽいなと思います。
会社の経営も同じですね。
目先で売り上げを達成して、毎月そのために頑張り続け、未来への投資をやめてしまうと、長続きしません。
例えば、アプリで収益をあげること。ボクらが参入した2008年から、様々な手段でやってきました。
先述のように、課金をする時代は終わりが見えています。
ボクたちは生きている時間が毎秒、毎日失ってきているわけで、未来をみて、そこへ向かって、早急に転向した方が良いのです。
さて、この双曲割引なのですが、神経経済学では、やはりドーパミンが衝動的な行動に働くそうで、解析されてしまっています。
人々の行動を生物学的に解明しようとすること。
ボクらは、まだまだ沢山勉強することはあるのですが、
経済学、心理学、生物学と横断することを、
エンタメや広告というモデルを使って、
多くの人の行動のデータや、表情や音声、顔の動きなど感情に関わるデータを取ることによって、商品やサービス、広告など様々なモノに対する分析をして、精度を上げることが出来ます。
ユードーの技術力で、今後研究を進めるのはこの部分ですね。
スマホのデバイスで沢山の感情を読み取ろうと。
以前、音楽や写真のアプリを作った時期もありましたけれども、
その時期のユードーはどこに行った?という声もあります。
けれども、もう通り過ぎて、再び新しい技術や研究をして
エンタメやゲームという形で、投入していくことが、ボクらの使命だなと考えています。
ちなみに、北海道大学は、この神経経済学の論文数について
世界で2番目です。先見の目がありますね。