面倒くさい時代だなということと、
だから、面白いってこととが同じぐらいあります。
「母を亡くした時、ボクは遺骨を食べたいと思った」
「東京喰種」
偶然、書店で横に並んでいて、共に”食べる”コトではあるけれども、
前者については、単語にすると。
等身大でもあり、下手で、不器用でもあり、それが本当でもあり
地方都市でもあり、素直であり、優しさであり、頑張らないコトでもあり。
ボクの世代は、子供の頃からゲームやパソコン、テクノロジーな時期で
日本が格好よくて、90年代のバブル崩壊時も
結果として、ボクは、ゲームを作っていて、あまり影響を受けなかったわけだけれども、
さらに、ボクらが作っていたゲームのターゲット世代、
DigitalKidsというのか、インターネットで
30前後、20代へと、お洒落で、インテリで、テクノロジーな
時期から、
最近、70年代なことば
お茶の間時代じゃないかと思う。
滅多にマンガを買わないのですが、
「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」
どうも、このクサさ(失礼)が、どうも刺さる。
お母さんとか、お父さんとか、おばあちゃんなど家族を語らず
背伸びをして、地方から上京するような、
頑張って、クリエイター面する青年が
お母さんっていうの、
何か、本当さを感じることと一緒。
先日ドキュメンタリーで、
EXILEのリーダーが
母親を武道館のステージにあげて、感謝の言葉を伝えたこと。
本当なことを感じた。
黒い(怖い)ファッションのおじさんから、お母さんって
涙するのに、不自然さはない。
どうも、右傾化かとおもったけれども、そんなことではなくて
世の中、感謝や優しさ、格好悪さを求めている。
僕は、なんとなく上昇して行かないであろう社会で
自分なり、いろいろ下げることで
自己を見つめ直し、確立するような
ある意味、農耕民族的な慎み深い時代になっているのかと。
実は、斉藤さんも、ハラワタ中継というモードを入れました。
1人の配信者が、テレビ電話中継を10人に行うという機能で
当初、ツイキャスやニコ動と同じような機能で、
さらに、参加人数が少ないことで、何の優位があるのか、
と疑問に思ったこともあったのですが、
リリース直前で、
利用する人々の生活シーンや世界、目線を考えて
名称や語句の変更を急遽入れました。
ボクは、自分の部屋やもしかしたら、ベッドで
自分のスペースから、全世界に放送するような
頑張らない、ライブをイメージしました。
実際その通りで、
とても健全で、ピュアで、飾らない。
1日数千人の人が楽しんでいます。
斉藤さんは、通話がメインだったわけで、
常に遊ぶものではなかった。
けれども、通勤途中でも、授業中でも
いつでも楽しめて、
リアルな空間と並行して
斉藤さん空間と共存出来るわけです。
20代後半以上は、テック系でサイバーで
カッコいい生活の見え方、目線があると思うのですが、
ユニクロしかり、そこそこ東京の文化が
中途半端に地方のAEON MALLやバイパス沿いを浸食して
昔ほど、都会に憧れなくなり、
そして、自分の身の回りの自然さを
素直に受け入れる
日本臭い世代、もしかしたら
ゆとり教育世代以後なのかもしれないのですが、
新しい時代になったのだと思います。
テレビのヒーローような、昔のゲームクリエイターのような
カリスマは存在しなくて
AKB48も、秋葉原の意味は消沈し
秋葉原も商業化して、
オタクのメインカルチャーで
今は、日本以外の企業や人たちもIPOを目指し。
そんな、上昇志向な世界に相反するように、
普通の人、普通っぽい人の特技の方が
新鮮で。
永続的に頑張らなくても良い、
まったりした世界こそ、次の本当の心のよりどころになり。
斉藤さんも、利用者は
それに対して、何も思わないし、作ったボクが挨拶をしても
何にも起こらない。
みんな、フラットな関係。
昔は、音ゲーで遊んだ人に何か言われたのにw
けれども、その、思想も意志も持たない
共同体こそ次のSNSのカタチかなと考えています。
ボクは、開発するメンバーを
フォークソングバンドなのか、何かアーティストと見ていて、
ボクは、プロデューサーとして、
言語化して時代やユーザーを分析しているけれども、
有名にはならないけれども、全く開発者であることは、
リスペクトされないけれども、
アーティストは、計算や計画も無しに
衝動的に、作品を発表する。
そういった、ITというよりも、ゲームや音楽的な
成り立ちを考えた方が
利用する人たちに刺さるものと考えています。
インテリでカッコいい、デジタルキッズ
なんていうのは、まだ未熟で。
人間的で、ダサくて、フラット。
面白い時代だなと思います。
愛とか、青春とか。
武田鉄矢の海援隊が、若い世代に素直に伝わり。
そういうことが、恥ずかしくなく、堂々と言える時代。
その空気感に対して、ITは遅れているなとも思います。
ITやサービスも、ある程度の規模になると
システムやギミック、企画よりも
その世界や空気が重要で、利用者も作品やサービスに組み込まれる。
ボクらは、計算も分析よりも
直感や、気持ちをスグに、衝動的にライブで
ソロプレイをするように、思い付きでやればよい。
IT企業で、事業を立ち上げる
ではなくて、
音楽やゲーム開発と一緒で、強い思いだったりする。
サービスに、失敗=バグや
偶発性、勢い、早さが、面白い時代なのだと。
そのうち、お母さんと一緒に生中継とか。
おかしくない時代になる。
そんなボクも、みなとみらいっていう、人工的で
旧世代な場所で、いろいろ俯瞰している感じもします。