Janet Jacksonのバラード、Let’s Wait Awhile(1986)
中学校で英語を習い始めた頃、1986年。
洋楽の歌詞の意味をなんとなくわかりはじめました。
自分を急がせないで?
簡単な英語だけれども、感覚を受け取ることは難しくて、
「自分たち」ではなく、自分たちを取り巻く世界の時間を急がせないで
という解釈だと思う。だから。ゆるやかに、沈める感じ。
歌詞だけでもなく、音の空間は
時代の空気と、雰囲気、人々。
抽象的になんとなくぼんやり思う。
昔の記憶はモノクロになると言われますが
曲が入口となって、
一層、当時の自分の音楽への感覚や、世界の見え方が蘇ってきます。
サウンドは、大好きなJimmy Jam & Lewisのプロデュースですが、
カラッと晴れたLAでもないくて、
煌びやかでデジタルな音はとても優しくて
モワモワしたリバーブ(お風呂のような、エコーやディレイ)
ヨーロッパな雰囲気です。
この曲もジャムアンドルイスですが、
アムステルダムの危ないホテルのカフェ、曇りの日々に聴いたhuman
ロンドンの寿司屋の甘い醤油とマグロ。
お店のスピーカーから聞こえてきたことなど、ぼーっと思い出します。
コンクリートに反射するFMラジオの音の雰囲気や
この時代の短波ラジオから流れる、SuperROCK K.Y.O.Iのノイズとか。
のんびりゆっくりというか、
メロディや和音だけではない、アレンジのような、ミキシングのような
ボーカルの声、歌詞、その時代の楽器、音像など
サウンドスケイプ(心象風景)なのだなと思います。自分はアイデアを出すときには、漠然とした言葉や色、並び方、写真など雰囲気や像からまとめていきます。
多分ゲームやらクリエイティブなり、多くの人を焚きつける、始めの一歩は
機能的な要件とは別に
抽象的漠然とした全体から、細部に落とし込んでいく。先のブログのように、なんとなくの像から、色から、言葉から、想像する人から、こんなゲーム、あんなサービスを作り出す。
利用するユーザーも、初めての何かを見るときは、言語的な細部からの解釈ではなく、点在していて、記号のような複合的な色、言葉、デザインの多くの人が持つ、暗黙知の総意ではないかと考えています。
ところで、自分も、昔作った曲を忘れているぐらいですが、1990年代-はゲームの作曲家でした。
テクノを作るのが苦手で、少々陰鬱間なのか、デッドかつグルーブ感が好きで
悶々と、曇りの日、雨の日のような。
この時代の雰囲気や空気にあっていたのか、
自分なりにこの頃のこの感じ。1990年代後半~2000年代前半ですね。
今の自分では作れないと思います。
ROLAND SPACE ECHOと、SP-1200、MPC-3000、JP-8000、AKAI S-900のLOWBITのストリングス