Pocket

思いつきで衝動的で困ったことに、緊急でワクチンを打ちたくなってニューヨークへ向かった。週末に出るニューヨーク行きの航空券が往復で取れてしまった。

最近、コロナのことを考えて抑制をする自分のタスクマネージャーが非効率なので、ワクチンを打って、多少安心感をもって、ほかの割合を増やすことの方が大切だと考えた。人生を70年、80年と考えれば、コロナで過ぎ去る2年間の消耗はもったいなくて仕方がない。仕事を全開でしたい。

コロナを利用して、効率的な何かをやるか、ワクチンによって、割合を下げて、ほかのタスクに注力するかと考えた。

J.F.Kは3分で入国審査を終えて外に出ることができた。おまけに、入管の職員は「ようこそニューヨーク」と伝えてくれる。ロスで自爆テロリストに間違えられた経験を持つ僕は、入国手続きがいやというか、職員のふてぶてしさに憤慨をするので、本当に良い入国だった。

マンハッタンへ向かい、接種センターへ行くと、看護師たちは、ジョンソンや、ファイザーを略称にしてまるで、僕がせっかちなことを見透かされたかのように、ワンショット・ジョンソン!!と話をしている。

英語ってのは不思議なもので、慣れてくると話したくなってくる。だから、ハウスキーパーを部屋に入れることにした。昨年の悪夢なロックダウンの話をしてくれる。恋しくなってむかった寿司屋でも、日本はどうなのか?ということと、昨年のニューヨークの話題ばかりになる。とはいえ、ニューヨークヤンキースの話を僕ができるわけでもなく、できれば、コロナの話題は避けてほしいなと思いつつ。

ニューヨークへ向かったが、完全に自己責任だと思って、自分の体は自分が守るわけだが、副反応が思いのほかしんどかった。37.5度だが、平熱が低いので地球がひっくり返ったような、寒気と関節痛を耐えて、少々ニューヨークにいることを後悔もしてみたりする。

ところが、翌日になると、回復をして歩きたくなった。外出はしないと決めていたが、セントラルパークからグランドゼロを3時間かけて歩き、ソーホー、チャイナタウンを回ってみた。知り合いはいなくもないが、誰とも会わずに、ひとりで街歩きをするだけだ。

お気に入りのすし屋(新橋)は閉店をしていて、入れ替わりの激しいマンハッタンは、さらにコロナで追い打ちをかけられたのだと思う。ハウスキーパーも、板前さんも、知人や友人をコロナで亡くした話をしてくれる。経済活動が回復して、活気あるニューヨークの人々のだれもが、ロックダウンの悲しい話をもっていることに気が付いた。