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久しぶりに音楽のことでも。

昨年、フロッピーディスクを処分しようと思ったら、20年以上前の作曲データが見つかって復元してみた。沖縄の住まいも3年になり、勢いで三線も入れてみた。

1996年ごろの僕を思い出して、補作曲した。

当時、MPCやMCという機材で音楽を作っていたので、英文ファイルネームが面倒で、MPCのパネルにあるテンキーのダイレクトに入力できる数字にしていてそのまま曲名になっていた。手っ取り早く、目に入る記号的な、車、番地や機種名にしていた。だから、僕の曲は数字だらけだったのだと思う。

社会人になる前だった。AKAI MPC3000と、シンセサイザーぐらいしかなくて、フロッピーディスクには相当数なピアノ曲があった。当時の僕は暇だったしご飯も食べられなかったから、することがなかったのだろう。

去年あたりから「展開をこうしただろう」と思って、途中で諦めているメモに追加して、なんとなくまとめてみた。原曲312というファイル名は、多分、テンキーで123や312など適当に並んでいたからだろう。他にも、112とか、345とか、そのような曲名だらけだっただった。5.1.1や5.8.8って曲を作ったのも、ピアノ作曲練習として、数十曲作ったうちの1曲なのかもしれない。1や8を2度押さないといいけない面倒くささがあるので、リリースをしている曲はしっかり考えたのだろう・・・。

この曲がボツなのは、テンポが遅いことと、曲が暗いからかな・・・。他の曲ももっと暗い。暗い20代だったのだろう。

隠し機材だったAKAI MPC

昔の僕の曲でビートがカチコチしているのは、MPCのシーケンサーだったからだ。

今思えばわがままだったと思うが、ゲームの開発でMPCのメーカーへの折衝を先輩に伝えたことがあって、技術の方とお話しをする機会があった。

MPC3000のパッドは、音楽ゲームのボタンでもあり、ピアノの鍵盤よりは、大きくて、ドラムを叩くほどでもないけれども、指先で気軽にいじってしまいたい感じだ。

さらに僕がMPCにまなんだことは、ドラム音や声ネタ、ちょっとした楽器をサンプリングして、パッドで叩くと楽器になったことと、レコーディングをすると演奏情報がビジュアルで残ることだった。

貧乏だったので、フロッピーディスクしかなくて、ロービットで本当にザラザラサンプリングしていて、作曲に行き詰まると、悶々と叩いていた。今考えると、楽譜を超えて、適当に叩く気持ちよさや、シーケンサーによって、ボタン音を叩けば完成をして、曲にもなる、という考え方をMPCは持っていたので、相当アイデアの参考になった。

メーカーの方との雑談で、MPCのクオンタイズ(音のタイミング補正機能)は、エンジニアの方が浮遊小数点計算を間違えたら、良いグルーブ感になったと聞いて、ワクワクした。 MPCのクセはこのムービーがわかりやすい。

サンプリングをしたり、MPCのパッドと影響を受けた当時のゲームへの思い。そして、いろいろ考えたときの気持ちも振り返り、AKAIのMPCは特別だ。今でも、最新型のMPC-LIVE2や、MPC-Xを複数持っている。もしもの際には、棺桶に入れて欲しいぐらいで、東京も、沖縄、キャンピングカー、すべての部屋にMPCを置いてある。

MPC3000は手放さなければよかった・・・。

作曲をすること

会社員時代に先輩に言われた大切なことがあって、「機材を骨のづいまで使い倒す」ということと、「作曲としてしっかりする」ということだった。特に、バートバカラックのコンサートに連れて行ってもらったことも大きかった。

この3.1.2という曲は、21歳の頃にMPCを手に入れて、1台のシンセサイザーのピアノで淡々と作っていて、でも、機材があまりにもなくて、ピアノしか鳴らなかったからハーモニーやいろいろ考え込んだ残骸がある。何もない方が、作り込めるのかもしれない。このあと、時代の流れで、PCで便利なことにたくさん音をつけられるようになった。でも、”作曲をした”スコアは、フロッピーディスク程度の小さなデータだけれども、だれでも、いつでも再現ができる。

他にも若い頃のストックがいくつかあるので、のんびり発掘をしていこうと思う。それにしても、フロッピーディスクの耐久性はすごい。

MPCのフロッピーディスクありがとう。